本文へ移動

STUDY 02 / SHEAR WAVE ELASTOGRAPHY

側腹壁の層別SWEと血中指標

4.9 Nの緩消法と、動作を一致させた0.49 Nの対照で、側腹壁の層ごとの剪断波速度を比較した無作為化クロスオーバー・パイロット研究。現在、論文投稿中です。

論文投稿中|概要を掲載
対象
健常男性20名
比較
4.9 N / 0.49 N
観察
直後・15分後

このページの掲載範囲

この研究は現在、論文投稿中です。本ページには、試験登録(UMIN000056162)の公開情報と、第28回世界心身医学会(ICPM 2026)シンポジウムの発表抄録で報告した内容を掲載しています。各層の数値、信頼区間、統計解析、血中指標の詳細と図表は、論文の公表後すぐに掲載します。

対象とデザイン

20〜39歳の健常男性20名を対象とした、単施設・無作為化クロスオーバー・パイロット研究です。参加者に条件を伏せた単盲検で、緩消法と対照(疑似緩消法)の両方を、7日間の間隔を空けて実施しました。

項目試験登録(UMIN-CTR)の公開情報
試験ID・試験名UMIN000056162 腹斜筋群弛緩によるマイオカイン動態の解析 -ランダム化クロスオーバー比較試験-
対象20〜39歳の健常男性、BMI 18.5〜25。目標参加者数20名。
デザイン無作為化クロスオーバー試験。参加者を盲検化した単盲検。シャム対照。
介入腹斜筋群への10分間の緩消法/10分間の疑似緩消法。
主要評価項目血清マイオカイン濃度(15項目)。
副次評価項目側腹壁の剪断波エラストグラフィ(SWE)と血清ミオグロビン。
責任研究者網谷東方(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 心身内科学分野)
共同実施組織日本健康機構

原資料:UMIN-CTR 臨床試験登録情報(UMIN000056162)

介入と測定

側腹壁に、10分間の4.9 N緩消法介入と、動作を一致させた0.49 Nの対照介入を行いました。緩消法は、穏やかな局所への力と誘導運動を組み合わせる低負荷の手技です。

剪断波エラストグラフィ(SWE)で、皮下脂肪、浅層筋膜境界部、外腹斜筋、深部筋・筋膜境界部の4つの層を、各介入の前・直後・15分後に評価しました。血清ミオグロビンと、候補となるマイオカイン関連タンパク質も急性期に測定しています。

どの層を測っているのか

体表側 ↓ 深層側

皮下脂肪SWEで評価した層
浅層筋膜境界部外腹斜筋の表層側の境界
外腹斜筋SWEで評価した筋層
深部筋・筋膜境界部外腹斜筋と内腹斜筋の間の境界
内腹斜筋深部境界の深層側に位置する筋
発表抄録に示した測定層を、位置関係が分かりやすい模式図にしています。装置と画像取得条件の詳細は、論文公表後に掲載します。

ELASTOGRAPHY / MEASUREMENT VIEW

エラストグラフィの測定画面

断層像、カラー表示、測定枠、数値を一つの画面で確認できる、超音波エラストグラフィの写真です。

断層像とカラー表示を並べ、複数の円形測定枠とVsの値を表示したエラストグラフィ画面
測定画面の参考例。左側の断層像と、右側のカラー表示を対応させ、測定枠と数値の位置を確認できます。写真:坂戸孝志原寸画像を開く

画面の見方

断層像
組織の形状や境界と、測定枠の位置を確認します。
カラー表示
画面右のカラースケールと照合して読みます。
測定値
Vsは剪断波の伝搬速度を表します。画面ではm/sで表示されています。

技術解説:富士フイルム「Elastography」

もう1枚の測定画面を見る
断層像とカラー表示に円形の測定枠を重ねた別のエラストグラフィ画面
別の測定画面の参考例。カラー表示、測定枠、数値を確認できます。写真:坂戸孝志原寸画像を開く

写真は超音波エラストグラフィの画面構成を示す参考例です。断層像、カラー表示、測定枠、数値の位置をご覧いただけます。研究結果に対応する画像は、論文公表後に掲載します。

学会で報告した結果

4.9 Nの緩消法介入により、あらかじめ規定した各層で、介入特異的な剪断波速度の低下を認めました。最も大きな変化は、外腹斜筋と内腹斜筋の間にある深部筋・筋膜境界部でみられました。

測定層介入直後15分後
深部筋・筋膜境界部:剪断波速度の低下量の条件間差(中央値)0.610 m/s0.780 m/s

数値は、同じ参加者での4.9 N条件と0.49 N条件の「低下量の差」の中央値です。各条件の介入前後の低下量を求め、4.9 N条件の低下量から0.49 N条件の低下量を差し引いています。

外腹斜筋でも同じ方向の変化がみられ、皮下脂肪と浅層筋膜境界部の変化は小さめでした。

血清ミオグロビンについては、介入特異的な急性上昇を伴わない結果を学会抄録で報告しました。探索的に測定した血中バイオマーカーの由来組織と因果関係は、今後の研究で調べるテーマです。

原資料:第28回世界心身医学会(ICPM 2026)シンポジウム発表抄録(抄録 D)。

層ごとの応答を、再現性と持続から調べる

発表抄録では、既報のLong COVID/ME/CFS症例報告と併せて、労作後の体調変化(PEM)を生じやすい方への低負荷の筋・筋膜介入を、対照を設けた研究で検証する意義を述べています。Long COVID/ME/CFSの臨床経過を見る

研究構想

複数の施術者・評価者で力と画像取得条件をそろえ、15分以降の経過と適切な介入間隔を調べる構想です。対象を女性・高齢者・患者へ広げ、層間の滑走や筋活動とSWEの対応を評価します。

SWEの再現研究・機序研究を相談する

倫理・登録・実施体制

倫理審査:鹿児島大学病院(承認日 2024年9月17日)。試験登録:UMIN000056162(2024年11月15日登録)。組入れ開始は2024年11月6日で、開始9日後の登録(後ろ向き登録)です。

実施責任組織は鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 心身内科学分野、共同実施組織は日本健康機構です。安全性、資金、利益相反、各担当者の役割は、論文公表時に掲載します。研究体制と開発者の利益相反

原資料と関連発表

  1. UMIN-CTR 臨床試験登録:UMIN000056162 腹斜筋群弛緩によるマイオカイン動態の解析
  2. 抄録 D:Softening of the deep myofascial interface after a low-force 4.9 N manual intervention: implications for Long COVID/ME/CFS. 第28回世界心身医学会(ICPM 2026、福岡)で発表済みのシンポジウム抄録(2026年9月25日、DSY11-2)。健常男性20名の側腹壁研究と既報症例を関連づけた考察。
  3. 論文:投稿中。公表後に書誌情報と詳細を掲載します。
  4. ICPM 2026 公式プログラム:DSY11-2(発表者:網谷東方)

「研究構想」は今後の検証に向けた仮説・検討課題を示し、推論に基づいています。研究結果は、対象・方法・原資料とともに示しています。

最終更新日:2026年9月21日

上部へスクロール