研究ごとの介入条件

| 研究 | 介入と対照 | 測定時点 |
|---|---|---|
| 押圧条件と腰部の筋硬度 | 座位・側屈運動。押圧なし/250/500/750/1000 gf、接触径1/2/3 cmを検討。 | 介入前後 |
| 側腹壁の層別SWEと血中指標 | 4.9 N対0.49 N。動作と時間を揃えた10分間の介入。7日間隔のクロスオーバー。(論文投稿中) | SWE:前・直後・15分後 |
| 慢性頸椎捻挫後遺症の追跡 | 頸部・肩甲帯への約4.9 Nの単回介入。最大20分。疼痛消失時は終了。 | 前・直後・7日・28日・3か月・6か月 |
緩消法の研究では、対象と目的に応じて手順を設定しています。負荷条件と測定方法を併記することで、各研究の特徴を理解し、知見を次の比較研究へつなげられます。
力の目安と表記
手技の一般的な説明では、約5.0 N(500 gf)の力を目安として表記します。Nとgfはいずれも力の単位です。圧力は接触面積にも依存するため、力の大きさに加え、接触径や接触面の形状を併記します。
研究の条件・結果・論文名に含まれる4.9 N、7.4 N、0.49 Nなどは、原資料の数値をそのまま示します。約5.0 Nの手技説明を含む発表資料(PDF)
頸椎捻挫研究では、施術前にデジタルフォースゲージで力の変動を確認しています。ここで示す負荷は、施術前の調整に基づく目標値です。施術中の力も連続して記録する方法は、手技の再現性をさらに高める研究テーマになります。

測定値は何を表すか
| 測定 | 読み取れること | 理解を深めるための測定条件 |
|---|---|---|
| SWE:剪断波速度(m/s) | 設定した測定領域の力学的状態の変化 | 姿勢、呼吸、プローブ圧、深さ、組織の方向性を揃えて評価する。組織構造の画像評価を組み合わせ、理解を深める。 |
| 筋硬度計 | 測定部位を押した際の抵抗の変化 | 装置・姿勢・接触条件を揃えることで、研究間の比較と再現性の評価につながる。 |
| Bモード超音波の組織厚 | 画像上で定義した層の厚さ | 組織の形状を捉える評価。SWEや筋活動の測定と組み合わせ、筋弛緩の機序を探る。 |
| VAS・NDI・ROM | 疼痛、機能障害、可動域 | 本人の報告と評価者の測定を区別。変化量、分母、追跡期間を併記する。 |
筋硬度計で「柔らかさ」を見る
デジタル表示式筋硬度計 TDM-Z2(BT)で、施術後の腰部と身近な物体を測定した実演記録です。触れて感じる柔らかさを、装置の表示値と写真で紹介します。
TDM-Z2のカタログ上の表示範囲は00〜100で、装置固有の尺度で押込み抵抗を示します。2012年の腰痛研究のPEK-1、超音波SWEの剪断波速度、筋活動など、それぞれの測定原理と単位を明示することで、組織の柔らかさを多面的に理解できます。
撮影例は2名(50代女性・40代男性)、気温26℃・湿度50%での施術後測定です。前後比較の資料は、同一対象者の施術前記録と、測定部位・姿勢・反復回数を対応づけて整備します。
マシュマロとの比較で、数値を身近に
施術後の腰部で16、マシュマロで26・33・47という表示値を記録しました。同じ装置で測った実演例を並べ、柔らかさの感覚を数値でイメージできるようにしています。
気温26℃・湿度50%。マシュマロはティッシュペーパーを挟んで測定しています。原寸の写真はクリックして確認できます。
腰部の柔らかさを示す写真

この写真は、腰部を手で挟める様子を示した実演記録です。研究では、見た目の変化に押込み抵抗・加えた力・超音波画像・筋活動の記録を重ね、組織の応答を検討する構想があります。
側腹壁SWEで評価した層
側腹壁研究では、剪断波エラストグラフィ(SWE)で、皮下脂肪、浅層筋膜境界部、外腹斜筋、深部筋・筋膜境界部(外腹斜筋と内腹斜筋の間)の4つの層を、介入前・直後・15分後に評価しました。
この研究は現在、論文投稿中です。装置、プローブ、測定点、画像取得条件、解析方法の詳細は、論文公表後に掲載します。
測定画面の実例

写真は超音波エラストグラフィの画面構成を示す参考例です。断層像、カラー表示、測定枠、数値の位置をご覧いただけます。研究結果に対応する画像は、論文公表後に掲載します。
再現研究で揃えたい項目
研究構想
- 対象者の選定条件、併用治療、食事・運動・測定時刻。
- 施術部位、姿勢、力、接触径、動作、時間、施術者の経験。
- 対照条件、順序の割付、評価者の盲検、間隔と持ち越し効果。
- 測定装置、取得条件、反復回数、主要評価項目と解析計画。
- 快適性、体調の推移、参加継続状況、遅れて現れる症状を含む安全性の記録。
原資料
- 杉本 諭ほか.緩消法が腰部の筋緊張に与える影響.基礎理学療法学.2025;28(1):32–38.DOI: 10.24780/jjptf.JJPTF_2023-17
- 研究 A(論文投稿中):側腹壁の剪断波エラストグラフィ研究(健常男性20名、無作為化クロスオーバー・パイロット研究)。試験登録 UMIN000056162。試験登録の公開情報と、第28回世界心身医学会(ICPM 2026、福岡)シンポジウム発表抄録の範囲で紹介しています。詳細は論文公表後に掲載します。
- 研究原稿 B(学会発表済み):坂戸孝志・秦祥彦・板井友亮・網谷東方.頸椎捻挫後遺症患者における緩消法の即時的および中期的効果:前向き単群パイロット研究。日本語簡易版(2026年4月23日)。関連発表:第55回日本慢性疼痛学会、第35回日本病態生理学会大会(いずれも2026年)。
「研究構想」は今後の検証に向けた仮説・検討課題を示し、推論に基づいています。研究結果は、対象・方法・原資料とともに示しています。
最終更新日:2026年9月21日




