痛みと緩消法
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痛みと緩消法

腰痛・肩こり・関節痛などの慢性疼痛は、『筋の緊張(硬さ・コリ)』が原因です。

医療関係者でも痛みの原因を、神経の圧迫による痛み、骨の歪みやズレによる痛み、姿勢が悪い、ストレスが多いことと考えている人は少なくありません。

しかし、一日でも早く一人でも多くの体から痛みが消えるために、西洋医学(生理学)の観点から痛みの原因をお伝えします。

西洋医学(生理学)では、
痛みには、「表在痛」「深部痛」「内臓痛」「関連痛」(1)があります。

腰痛や肩こり、歩行は通常通りできるがひざや股関節の痛みは「深部痛」となります。

※深部痛とは、筋,腱,関節の靱帯,骨膜の痛み
※表在痛とは体表の痛み
※内臓痛とは、内臓の痛み
※関連痛とは、他部位の痛み

( source:標準生理学 第8版,医学書院,2017,227)

そして、深部痛の多くは、筋の痛み、筋痛です。

深部痛である筋痛は、持続的な筋収縮(緊張)よる虚血状態(血行不良)により起こります(2)

同項に、持続的な痛み(慢性痛)についての記載として、「筋への血流が途絶えると筋は収縮し、痛みは血流が再開するまで続く(2)」とされます。

病理学的には、深部痛が3か月以上続く場合、一般的に「慢性疼痛(慢性痛)(3)」と表現されます。

( source:医科生理学展望 原書第20版,丸善出版,2002,151)

腰痛についてポーランドのSkorupska Eらは、「腰痛は、肋骨縁の下および下殿襞の上に局在する痛み、筋の緊張、または硬直として定義される最も一般的な疼痛疾患の 1 つ(4)」としています。

・Skorupska Eら
 腰痛は、
  ・筋の緊張   
  ・筋の硬直
 として定義

また、慢性緊張型頭痛についてデンマークのAshina Mらは、慢性緊張型頭痛患者の筋(僧帽筋)の硬さと痛みの関係について、正の相関関係がある(5)」と報告しており、慢性疼痛患者は筋緊張が強いと一般的な臨床観察が裏付けられているとしています。

・Ashina Mら
  慢性緊張型頭痛患者は、
  筋の硬さと痛み
  正の相関関係


しかし、日本の厚生労働省が発表している国民生活基礎調査(6)の有訴者率の1位が腰痛となっていますので、今までの治療方法では治っていないことになり、医療関係者がこの現実を受け止めることが重要と考えます。

(source:2019年国民生活基礎調査の概況:厚生労働省)



緩消法にて筋弛緩すると、「限りなく無緊張状態」と表現できるほど筋は軟らかくなります。

ロッキーマウンテンマシュマロ 横置き
ティッシュペーパーを挟み  硬度33

緩消法施術後の筋  筋硬度16

ロッキーマウンテンマシュマロ 横置き
ティッシュペーパーを挟み  硬度33

緩消法施術後の筋  筋硬度16

緩消法施術後は、マシュマロの約1/2の硬度(20未満)となることが、硬度計から見てもわかります。

腰部に疼痛を訴える患者では筋硬度50以上のことが多いため、確実に痛みを消すことができる筋弛緩法と考えられます。詳細は、『筋弛緩と緩消法』にて記載

この「筋を限りなく無緊張状態」と表現できる軟らかさは、
リラックスしている猫の筋と同じと捉えていただいて構いません。
一般人が考える軟らかい筋は、哺乳類の中では硬い筋ということになります。

筋が硬いと痛みが出ますし、筋が硬いと血行不良が起こります。

血行不良が起こることで体温は下がります。
一般論では、体温が下がれば、白血球の産生は低下しますし、体温が上がれば、白血球の産生は増加します。

白血球産生の低下により、体内に菌やウィルスが侵入しやすくなります。

緩消法は、「間質(ファシア(Fascia))」のゲル化をゾル化させるために開発されました。

緩消法の基本的な方法として、「緊張した筋に先端が球状の物体(手指で良い)を約1㎠の範囲で筋線維に直角に、約500gfの圧力で押し当てたまま、筋を伸縮させ筋を弛緩させる」手技療法です。

筋弛緩する際、侵襲性が無く筋損傷が伴わない(※1)まま、筋を限りなく無緊張状態にでき、技術習得が容易で再現性が高いことです。

緩消法の開発により、慢性疼痛の治療が容易になったといえます。

是非、医療現場に緩消法を取り入れていただき、痛みや病気に苦しむ、一人でも多くの患者さんを一緒に救っていきましょう。

(1) 小澤 瀞司, 福田 康一郎,標準生理学 第8版,医学書院,227,2017
(2) William F. Ganong ,岡田 泰伸,医科生理学展望,原書20版,151,2002
(3) Bonica JI : General consideration of chronic pain.The Management of Pain, 2nd ed, Bonica JI, Lea & Febiger, Philadelphia, 180-196, 1990.
(4) Skorupska E. Muscle Atrophy Measurement as Assessment Method for Low Back Pain Patients. Adv Exp Med Biol. 2018;1088:437-461.
(5) Ashina M, Bendtsen L, Jensen R, Sakai F, Olesen J. Muscle hardness in patients with chronic tension-type headache: relation to actual headache state. Pain. 1999 Feb;79(2-3):201-5.
(6) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf P17

(*1) Hirozumi sakaguchi et al, The effect of Kanshoho on the low back pain (lumbago) Japanese Journal of Integrative Medicine, 2012, 5(1),62-67.
報告の臨床試験時、ミオグロビンが検出限界以下である者が散見されたこと、および検出限界以上の者も施術による大幅な変動は認められなかった。
(ミオグロビン検出基準値:70ng/mL未満(平成29年10月3日より)

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